僕に、恋してみたら?


「執事とお嬢様、写真よろしくて?」
サナがそんなことをいいながら、カメラをかまえてくる。


「喜んで」というと、

桃惟はわたしを――お姫様抱っこした。


「ちょ……」

「どうかした? 僕の可愛いアリス」

「……っ、や、やりすぎだよ桃惟」

これじゃ、執事っていうより、王子様だし……!!


スマホの音が数回鳴ったあと、「バッチリ撮れたぁ」とオッケーのポーズをとるサナ。


「あ、あとでそれ、送って……」

「もちろんだよー」






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