僕に、恋してみたら?


い……、意味が、わかりません。

どうして、学校一モテる先輩が、わたしのためにお弁当とか作っちゃってるんですか!?


っていうか、ひじき煮とか家庭的すぎませんか?

唐揚げだって、これ、冷凍食品とかじゃないですよね。

朝から仕込んで揚げてきたとでもいうのですか!?


驚愕していると、先輩は、わたしのお弁当を勝手に食べ始めているではないか。


「ちょ……」

「茉帆ちゃんのお弁当、すごくヘルシーだね」

「そうなんですよね。お母さんの料理は、昔から野菜中心で……って、先輩、全部食べる気ですか?」

みるみるうちに、先輩の口に運ばれる……わたしのお弁当。

「ごちそうさま。美味しかったよ」

あっさり完食されてしまった。

そんなわけで、わたしは先輩のお弁当を食べることを余儀なくされた。

< 30 / 288 >

この作品をシェア

pagetop