僕に、恋してみたら?
風がぶわっと吹いて、髪がなびく。
先輩の髪が茶色いのは、染めているんじゃなくて、色素が薄いからなんだと思う。
だって、瞳も薄茶色だし。
肌だって、羨ましいくらいに真っ白だから。
「……茉帆ちゃん、どうしたのいきなり」
先輩から、笑顔が消えた。
てっきり、笑って聞き流すか、軽くオッケーしてくれると思ったのに。
「昨日、お姉ちゃんに聞いたんです。男の子に……揉んでもらうと、育つって」
すると、先輩は鼻で笑って「なんだ。そういうことか」と笑顔に戻った。
「いいよ」
——!
「今?」