僕に、恋してみたら?


「い、いいんですか?」

「こっちの台詞だけどね」

「お願いします!」

「……おいで、茉帆ちゃん」


くいっと腕を引かれ、先輩の膝の上に、背を向けて座る。


うわぁぁあ!!!

こんなに男の人と密着したのは、初めてだ。


「ホントにいいの?」

耳元から、先輩の声が聞こえてくる。

透き通った、声が。

「は、はい……」


これは、エクササイズの一環だ。

やらしいことじゃない。

マッサージだと、自分を納得させた。


先輩のキレイな手が、胸元に近づいてきた――そのとき。

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