僕に、恋してみたら?
——『僕に恋してみたら?』
先輩から言われた言葉を理解できなくて、頭の中で何度もループ再生させる。
わたしが先輩に恋をすると……可愛くなれるの?
え、それがバストアップと関係あるの?
「不思議だ」
「なにがですか?」
「こんな風に、女の子といてムラムラしないの」
……へ?
「いつもなら、この流れで、押し倒すんだけどね」
ムラムラ?
押し倒すぅ……!?
そんなワードに慌てたわたしは、うしろから抱きしめてくる先輩の腕を力づくでほどき、先輩から離れた。
「離れちゃうの?」
「は、離れますよ……! なに言ってるんですか、先輩!」
「僕だって、男だからねぇ。でも茉帆ちゃんには、そういう気分にならないんだよねー」
顎に手をあてて、考えるようにそういう。