僕に、恋してみたら?


「それは――ナイショ」

え、そこ、内緒なんですか?

でもまぁ、きっと、わたしが先輩のタイプと違うからなのかな。

恋愛対象外ということなのだろう。

……ん?

そう考えると、ちょっと、ショックかも……。


「いた、桃惟くん!」


と、誰かが、屋上にやってきた。


明るめの茶髪に、濃いめの化粧。

極限まで短くしてあるスカート。

全て、校則違反なわけですが。

って、この女の人は……昨日、水上先輩とキスしていた人だ!!


わたしを見て「ちょっと。またあなた?」と眉をひそめる。ネクタイの色から、3年生だとわかる。


それは、こっちの台詞です。

思い出しちゃったじゃないですか。昨日の、ドラマチックなキスシーンを。


……あれ。

あれれ?

どうしてだろう。

今、チクリと心が……痛かったのは……。


さっきから、なんだか変だ。

わたしの身体……。


「探したんだよ?……ねぇ、こんなとこにいないで、昨日の続きしようよ」

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