僕に、恋してみたら?


……先輩。

可愛いとか、簡単に言わないで下さい。

そんな優しい顔して……、笑わないで下さい。


「どこいくの?」

立ち上がるわたしに、そう問いかける先輩。


どこに行くもなにも、教室に、戻るんです。

これ以上先輩といたら……なんだかおかしくなりそうなので。

それくらい、心臓が、激しく鼓動しているので。


「そっか。またねー、茉帆ちゃん」


〝また〟って……、いつだろう。


「……はい、先輩」

「先輩、じゃないでしょ?」

「……っ、サヨナラ、桃惟」




< 47 / 288 >

この作品をシェア

pagetop