僕に、恋してみたら?
胸が、張り裂けそうだ。
逃げたいのに、足が動かない。
見たくないのに、目をそらせない。
「やめ……っ、」
かたくなに拒否するお姉ちゃんを、力一杯、壁におさえつける先輩。
「やめない――っていったら?」
やっとの思いで動いた足が、もつれ――わたしは、階段を踏み外し、落下してしまった。
誰かの叫び声がうっすらと聞こえてくる。
茉帆と呼んでいるような気がするから、きっと、お姉ちゃんだろう。
お姉ちゃんとの約束を破って屋上に来たから、バチがあたったのかな。
ごめんなさい、お姉ちゃん。
でも、もう……わたし、手遅れかもしれない。
意識を失いかけているというのに。
身体に激痛が走ったというのに。
真っ先に頭に浮かぶのは、あの人なんだ。
……水上先輩なんだ。