僕に、恋してみたら?
目が覚めたわたしは、白いベッドに横たわっていた。
「茉帆……!!」
お姉ちゃんが、泣きそうな顔でわたしを見下ろしている。
徐々に記憶を取り戻す。
そうだ、わたし、昼休みに屋上に向かってーー先輩とお姉ちゃんのキスシーンを見てしまったんだ。
それで慌てて、階段から転げ落ちた。
お姉ちゃんもわたしも制服姿だったので、ここが保健室かと思ったのだけれど、違うようだ。
四方をカーテンで仕切られている大部屋というよりは、個室みたいだったから。
「折れてもないし、念のため検査受けて帰れってさ。今、結果待ち」
「そっか……」
「ごめん、茉帆」
「お姉ちゃん……?」
「まさか、茉帆が見てるなんて……思わなかった」
「…………」
「あはは……。あんなこと無理矢理するなんて、さすが……水上桃惟だよね。呆れちゃうよ。次会ったら、グーでパンチしてやるんだから」