僕に、恋してみたら?


見てはいけないものを見てしまっているような気がしながらも、わたしの好奇心はおさまらない。

なにが始まるの……?

はやくどこかへ行って欲しい気持ちが半分。

このままコッソリ見ていたい気持ちが半分。

いいや、後者の方が、若干大きいかもしれない。


と、そのとき。


「はっ、クシュン!!!」


……しまった。

大きなクシャミがでてしまった。

こっちを一斉に見るカップル。

「誰かいるのっ!?」

ボタンがいくつか外されはだけてしまったブラウスを、慌てて手でおさえる女子。


そして――走り去ってしまった。

ただし、屋上から姿を消したのは、女子生徒のみ。


いや、あの、なにこれ。

……なんですかこれ。


ここでまさかの男子生徒と取り残されたわたしは、気まずさMAXなんですけどぉ……!?


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