僕に、恋してみたら?
「どこか痛む?」穏やかな口調で、そう聞かれる。
「左半身が……背中とか、お尻とか。でも、折れてないです」
「打撲で済んでよかった」
安心したように微笑む先輩。
痛みを感じるということは、これはやっぱり現実なのかな。
だとしたら、わざわざ先輩は、わたしに会いに来てくれたの……?
「茉帆ちゃん」
「はいっ」
「1つ、君に言っておこうと思って」
なんですか……?
どうしよう。心の準備が、まだ、できていない。
「あのね、茉帆ちゃん」
「先輩、待っ……」
「僕に本気になっちゃダメだよ」
え……
「僕のことは、これからも友達って思って欲しいな」