僕に、恋してみたら?


教えてもらえて助かった。英語は昼休み明けの授業なので、休み時間に覚えれば赤点はまのがれるだろう。

赤点をとると、もう一度同じ範囲を受け直さなければならなくて、どんどん覚える範囲が広まり厄介だ。

「それから」

「まだ小テストあるの!?」

慌てるわたしに、「違う違う」と柳くんが笑う。


「連絡先、教えてよ」

「……えっ?」

連絡先……って、電話番号とか?

あまりにも普段聞かれ慣れていないので、なんだかピンとこない。


「だめ?」

「ううん、ダメじゃないよ」

「貸して。僕の連絡先、結城さんのスマホに入れるよ」

「う、うん……!」

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