僕に、恋してみたら?


苦手ではないかな。得意でもないけれど。


「自分でもわからないや」


いつからだっけ。友達とか、いらないって思い始めたのは。


「迷惑かな?」

「なにが?」

「やたらと、話しかけちゃって」

「ううん、迷惑だなんて……そんなことない!」


むしろ、色々とモヤモヤしていたときに柳くんとたくさん話をして、いくらか気分が晴れた。

柳くんが一緒にいてくれたおかげで、元気になれた。

柳くんとなら——友達になりたいと思った。


「俺、結城さんと仲良くしたかったから。こうして普通に接してくれて嬉しい」

「大袈裟だなぁ。柳くんとは、みんな仲良くしたいと思ってるよ」


仲良くしてもらえて、こっちが感謝したいくらいだ。

トイレでわたしに絡んできたあの子たちは、柳くんが好きみたいだったなぁ。

優しくて、頼りになって、おまけにカッコイイんだ。人気ない方がおかしいか。

心配しなくても、わたしが柳くんとどうなるとか、あり得ないのに。

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