僕に、恋してみたら?
「ねぇ、柳くんも寝転がってみたら?」
「え?」
「気持ちいいよ」
この爽快感を味わえるのも、あと僅かだろう。
じきに、夏が訪れる。
そうすると、ここでこんなことをしていては真っ黒に日焼けしてしまい、気持ちいいどころではない。
「……そうしようかな」
柳くんが、わたしの隣に横になる。
「ね? 気持ちいいでしょ」
「ほんとだ」
「あの雲、ソフトクリームみたい!」
「ソフトクリームっていうより……ウン」「ちょっと柳くん! それは言っちゃダメだよ!」
ぶはっと2人で大笑いする。
「結城さんも思ったくせに」
「思ってないし!」
「嘘だね」
柳くんといると、自然体でいられる。
最近は、家にいてもお姉ちゃんの前で気を使っているから、こうしてなにも気を使わずに話せるのが嬉しい。