僕に、恋してみたら?


翌日は、土曜日だった。


「ゴロゴロしてないで、図書館でも行ってきたら?」

お母さんが掃除機をもって、部屋にやってくる。

「えぇ……」

「ほら、窓あけて」

「……鬼。まだ、9時だよ」

「もう9時、の間違いでしょ?」


休みの日くらい、お昼まで寝てもいいじゃん。

そもそも、わたしは一睡もしていない。


「……リビングのソファで寝るか」


階段をおり、キッチンに飲み物を取りに行く。

昨晩は、なにも食べられなかった。

なにか胃にいれておくか、と牛乳をくいっと飲む。

吐き気などはない。


飲み終わったコップをすすいでいると……

「茉帆」

背後から、声をかけられた。


……お姉ちゃんだ。

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