バレンタイン
「木下、あと20分くらいべんきょうしねぇ?」

瀬賀くんがいう。

「うん、わかった。」

私達は隣合って席に座った。

「はい、木下。

これ、買ってきた。バレンタインだから。」

えっ、そんな…

「ご、ごめんね、瀬賀くん…

私てっきり瀬賀くんは約束忘れちゃったのかと思って、自分で食べちゃったの…」

そしたら瀬賀くんが、少し寂しそうに

「そっか。まぁしょうがないよな、俺も来るの遅かったし。」

と笑った。

静かにふたりで勉強する。

ふいに瀬賀くんが私の自習ノートを持っていった。

何か書いてる…

そして閉館時間。

「はい!開いて!」

瀬賀くんがさっきのノートを私に渡す。

私はノートを開いた。

そしたらそこには

【お返しはいいから俺と付き合ってよ。 】

男の子っぽい少し雑な字で書かれてた。
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