絶対に離さない
始まりはいつの間にか
【華side】


朝早く私は家を出て、ある人のとこへ向かった。


ピンポーン


「こんにちわー」


...返事ないなぁ、先行こっと!


「おー!華っ!」


そんな声が聞こえ目隠しをされた。


ゴツゴツした男のコって感じの手だなー...って、違う違う


「もー、葵やめてよね。驚くでしょ」


その声と手の持ち主は幼なじみの前田 葵。


学校では茶髪でクールっていうギャップ萌えですんごいモテル人。


幼稚園の時からの腐れ縁で昔は私より小さくて可愛かったのに...今ではイケメンになっちゃって!


「なになにー?俺の顔なんて見つめちゃってさ」


「ハァ!?見つめてなんかないし!///」


私の顔はボフッと音がなりそうなくらい赤くなった。


もちろん付き合ってるわけじゃない。ただの幼なじみ。


「んもー、朝から仲いいねお二人さん!」


「玲奈?!そんなんじゃなおよ!ただの幼なじみ!」


長い髪を揺らす私とは違い玲奈は短髪で見るからに恋愛なんて興味無さそうなのに...


彼氏がいるらしい!


「華何言ってんの?」


苦笑しながら玲奈が言ってきた。


「え?声に出てた?」


「うん!それはもう、バッチリと!」


うわぁ、恥ずかしい...


「おはよう玲奈ちゃん、今日は叶夢といっしょじゃないんだな」


「そうなの!叶夢ったらね、11月なのにインフルなんだってさー」


「え、大丈夫なの?」


叶夢とは玲奈の彼氏。


葵とは違って紳士。


でも、性格とは裏腹に茶髪で見た目は凄いチャラそう。

「連絡したら、会いたいだってさ!もー!照れちゃう!」


「「バカップルめ!」」


玲奈のボケに葵と二人して突っ込むのはもう日課なっている。


「華は葵くんとどーなってんの?」


玲奈はボソッと私に耳打ちしてきた。


「!?...別に好きとかじゃないしさ?ただの幼なじみだし、いつか別々になるって思ったら...なんか苦しいってだけ」


「もー、それが恋だっていってんじゃーん!」


そんなこと言ったって中学までほとんど男子と関わりなんて持たなくて周りにいる男子が葵しかいなかっただけ。


仲いい人がいなくなったら悲しくなるのは当たり前...


この時の私はまだこの気持ちが"恋"だなんて知らなかったんだ。
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