絶対に離さない

転校生!?

「今日は転校生が来るんだから大人しくしろよー?」


私たちのクラスの先生がそう呼びかける。


「転校生!?女子がいいなー」


「うわーっ。男子ったら下心丸見え何ですけど、イケメンな男子がいいよー」


皆は男子とか女子がいいって言うけど別にどっちでもいいんだよねー。


「入ってきてくれ」


ガラガラッ


「...失礼します。隣の中学から転校してきた、水無月 零です。」


「キャー!イケメン!」


「ちぇー、男かよ」


整った顔に黒髪に白のメッシュが入っている。


今まで見た中で葵と同じくらいイケメンだった。


「空いてる席は神楽の隣か。じゃあー神楽、水無月に学校の中の案内頼むぞ」


「...はーい」


なんで私なのよ...。男子がやればいいのに!


女子達からの目線が痛い...


「よろしくな。神楽」


いきなり話しかけられて少しびっくりした。


見た目からして怖そうなのに以外に優しそう?


「あ、うん。よろしくね。放課後でいいかな?案内」


「あぁ...。別にいつでもいい。」


「りょーかい!」


HRが終わり水無月くんの周りに女子たちが集まってきた。


「水無月くんの学校って隣の中学だったんだー!」


「モデルとかしてる?モテるでしょ!」


...うるさい!もう、隣とかやだよー


「どうした?華」


「あ、葵。べっつにー!ただ騒がしいなーとかおもっただけ」


「ふーん。水無月ってカッコイイな」


真面目な顔して葵が言うから私は思わず笑ってしまった。


「ふふふっ。もう...何いってんの?負けたって?」


「そういうのじゃーねーし!」


「はいはい。そういうことにしておいてあげる」


葵が顔を真っ赤にしていうからしょうがなくそういう事にしておいた。


まあ、葵も一応カッコイイんだけどねー。


葵から見ても水無月くんはイケメンなんだねー。


「神楽って前田ってやつと仲いいのか?」


何故か眉間にシワを作りながら水無月くんは話しかけてきた。


なんか、困ってるっていうか、怒ってない...?


「まぁ。小さい頃からの幼なじみだからね」


「ふーん。」


どうしたのかな?


水無月くんは「気にするな」って言って顔を背けた。


水無月くんが「諦めないからな」と呟いたことは私は知らなかった
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