どうしたら好きになってくれるの。



それから2人でこれといった話もしないまま昼休みが終わった。



午後の授業も退屈で、


襲ってくる眠気に耐えながらやり過ごして放課後。



「サク帰ろ」



「ごめん!あたし今日委員会!」



「分かった、じゃあまた明日」




いつも2人で帰ってるから、1人で帰るなんて久しぶり。



たまには1人で帰るのもいいかも。



そんなことを考えながら朝先輩と出会った通りを過ぎた頃、



「遥ぁ〜早く来てよ〜」



「分かったから怒るなよ〜。可愛い顔が台無しじゃん?」



「も〜っ!遥ったらまたそうやって誤魔化すんだから!」




目の前で繰り広げられる会話。



はぁ…



そこにいたのはやっぱり先輩と可愛らしい女の人。



誰だろう…とか思ったって時間の無駄だから考えない。


先輩はこういう人なんだって思えば大丈夫。



それでも私の“好き”は変わらないからいい。




気付かないふりをして通り過ぎようとしたときだった。




「あれれ〜、彩チャンじゃないの〜。朝ぶり〜」



私に気付いた先輩が声をかけてきた。




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