ゆーちゃんの看病2 〜ゆーちゃん目線〜
俺は急いでスーパーへ寄り、必要そうなものを買った。

あいかの家には何度か行ったことがあったので、簡単にたどり着いた。

ピンポーン

あいか、風邪ひくと悪化しやすいし、出れるかな

しばらく待っていたが、すごく時間がかかって、ゆっくりドアが開いた。


「ゆーちゃん…来てくれたんだ
ありがとう……」


真っ赤な顔をして、辛そうなあいかが出てきた。

「よ。……具合悪そうだな…。
とりあえず、ベッド行こうか」

あいかはこくん。と頷き、フラフラと動き出した。

危なっかしいな…と思いつつ、肩を抱いて寝室まで支えた。


「ほら、あいかは寝てな?」

「うん、ありがとう…」

あいかは、重たそうに体をベッドに預けた。

肩を抱いてた時もめちゃくちゃ体熱かったし、これは熱高そうだな…

「熱は?測ったのか?」

「ううん…まだ…」

首を動かすのも辛いのか、目線だけをこっちにやるあいか。

「そこの救急箱の中にあるの。取ってくれる?」

あいかの部屋は綺麗に整頓されていたので、すぐに見つけられた。

「はい。」

あいかに渡すと、あいかは体を持ち上げて体温計を脇に挟んだ。

俯いてため息をついている。

これは相当辛いんだろうな…

顔をのぞきこんだら、あいかは浅く呼吸しながら、眉間にしわを寄せていた。

「大分辛そうだな…」

少しでも落ち着かせたくて、頭を撫でた。

「ううん、心配かけてごめんね?」

そう言ってあいかはへらりと笑った。

…こんな時まで人に気を使わなくても…。

「ああ、早く治せよ」

………ピピピっ

体温計が鳴ったので、あいかは体温計をみると、泣き顔になった。

「ゆーちゃん…39.2℃もあったよぉ」

うわ、高いとは思ってたけどそこまであるとは…。

「めっちゃ高熱じゃん。解熱剤飲んだ方がいいと思うけど、なんか食べなきゃな…。なんか食いたいもんあるか?」


「……食欲ない」


「そうは言っても食わなかったら治るものも治んねーだろ。お粥作ってくるよ、すぐに戻ってくるから、それまで寝てな?」


「うん…」


あいかは素直にベッドへ潜り込んだ。


卵粥でいいかな、なんて考えながら、キッチンで手早く作った。


出来上がったので、部屋に持っていくと、顔を紅潮させてはいるものの、すやすやと眠るあいか。

眠れていることに、すこし安心した。
少しだけあいかの寝顔を見つめていたが、お粥が冷めてしまうので、起こすことにした。

「あいか、おかゆ出来たよ。少しでいいから食えよ。」

「ありがとう…」

土鍋に入ったお粥はまだ湯気が立ち上っていたので、息をかけて冷ます。

ふと視線をあげると、うっとりした目でこっちをみるあいか。

なんだあれ。可愛すぎだろ。

「なに見惚れてんの?」

もう限界。と思って顔を近づけたら、

「ちょ…っゆーちゃん…っ
移るから、ダメっ」

この状態で止めさせるとか……

思わずハーッとため息をついた。

「お前、そう言うの生殺しって言うんだぞ?」

きょとんとしてるあいか。

「もういい。ほら、口開けろ。」

「へ?」

じれったいので、少々強引に口に突っ込んだ。
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