海の底に眠る祖国






『さて、それでは大戦委員会からそろそろアナウンスがあるはずなので、番組は一旦ここまでです』


『みなさん、またお会いしましょう!では!』


ちなみに、大戦ラジオは全年齢で聞けるが、大戦チャンネルはR-18Gとなっている。

18歳未満お断り。
これだけで、何が起こるか大方予想できるだろう。

それでも、国の未来をかけた戦争だ。

18歳の壁など無いかのように世界中の人々が家族で大戦チャンネルを見守っていた。

それもそのはず。
命をかけるのは自分たちではないにしても、代表が負ければ大戦後には自分たちの首が飛ぶかもしれないからだ。

亡命先を選ぶため。
自国はどの国と手を結べばいいのか推しはかるため。

自分たちの家族のために、人々はテレビを真剣に見つめていた。








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