海の底に眠る祖国
『地球のみなさん、おはよう、こんにちは、今晩は!今は真夜中のアジア圏やオーストラリアの皆は見てくれてるかな?第7次世界大戦、1日目が終了したぞー!』
その日、ハイテンションな声が世界中の家庭に届いた。
開始から5時間21分。
ようやく、第1の戦争が終わった。
『さて、では大まかに結果を報告だな。今回は死者24人。意外と少なかったな。脱落国はケニア、コロンビア、ベラルーシ、ルーマニア、ブルガリアの5ヵ国だ。つまり、残り46ヵ国120人となった』
意外と少なかった。
テレビを見ていた人たちは、少しだけ微妙な顔をした。
今までの何百万人が犠牲になるよりは少ないかもしれないが、それでも人が死んでいるのだ。
そんな言い方はないだろう、という抗議の電話が各地からかかってきた。
特に、今回代表者が死んでしまった国からは非難が多かった。