海の底に眠る祖国







結論から言うと、ルーク・アッセルは鬼神のような強さを誇っていた。

扉を開けた瞬間、志乃が感じたのは火薬と血の匂いだった。

バンバンと鳴り響く銃声と、ボンッという爆発音。
ガガガガガッと耳障りな音は、ロード君のマシンガンだろうか。


「待ってろ」


ウェイト。
それだけ言うと、ルークはスッと行ってしまった。
志乃は言われたままにその場でしゃがみこむ。

目の前の道は4つに分かれている。
分かれ道に血だまりができていて、指やら肉の破片やらが散乱している。

その光景は、いつまでも志乃の頭にこびりついていた。

そしてその場で志乃は吐いた。
耐えられなかったのだ。
音と、匂いと、光景に。

ゲエゲエ吐いていたら、いつの間にかルークが戻ってきていて、背中をさすってくれた。
大きな手の暖かさに安心する。






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