海の底に眠る祖国
それから志乃は少し考える。
ゴールからちょっと離れた迷路の行き止まりに座り込み、他のみんながゴールするまでボーッとしていた。
彼らが言った通り、最下位になろうと考えたのだ。
ヤン少年は別にどうでもいいが、アメリカの彼の意見は尊重すべきだろう。
一応、今の日本とアメリカは友好関係にあるのだから。
アメリカの機嫌をとっておいて悪いことはない。
志乃はそう思案してから、色々とめんどくさくなってきた。
何で私が日本の立ち位置とか考えて動かなきゃいけないんだろう。
国籍とか関係なく一対一の人間関係として動ければ楽なのに。
そう考えてボーッとしていた。
そうして、日本は最下位となったのである。