海の底に眠る祖国






そうして、敵が日本に来ることも日本が敵地に行くこともなく戦争は終わった。
戦争終結とともに嵐がおさまったかと思えば、何十年後かに再び戦争が起こると嵐もまた起こるという。

科学者たちは首をひねりながらも「地球温暖化による環境変化の影響」と結論づけたが、「絶対、守護神的なものが憑いてるだろあの国」というのが世界各国の本音だ。


そんなこんなで嵐に守られ300年。
日本は300年戦争とは程遠い場所にいたおかげですっかり平和ボケしてしまった。

こうして「ラッキー老国」は出来上がったのである。

平和が1番、平和なのは良いことだというのが大多数の意見だろう。

だが、この場合問題なのは日本が平和なだけであって、世界が平和ではなかったことだ。





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