海の底に眠る祖国






「人が1人以上いる限り、争いは絶えない。いくら世界平和を今ここで誓ったとしても、何十年後かには再び戦争をするだろう。先の6つの大戦がそうであったように」


第六次世界大戦後の世界会議での一国の発言。
歴史は繰り返す、という言葉をそれぞれの国の代表が頭に浮かべ、彼の話を聞いていた。


「争いが起きないことが第一だが、我々が人間である限り、争いからは逃げられないだろう。他者と関わっていれば必ず衝突することがある。それが人間だ」


生きている。
一人一人が幸せになるために。

その過程で、誰かと利害がぶつかりケンカになってしまうこともあるだろう。


「争いは起こる。それを認めた上で、犠牲の少ないやり方で争いを終わらせよう」


そう言った彼は、まるで英雄のようだったと当時の人々は語る。


そうして、新しい戦争の体制ができ早40年。

不安、不満、猜疑の影が世界を渦巻き、第七次世界大戦が勃発した。








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