海の底に眠る祖国





第7次世界大戦勃発の決定と共に結成された大戦ラジオ。

放送の拠点はアメリカにあり、パーソナリティが話す言葉はもちろん英語だが、瞬時に各国の言葉に翻訳され世界中に流されている。
タイムラグはなんと0.02秒。

この高速の翻訳システムを開発したのはフィンランドのメーカーだ。
300年ほど前に発明大国と呼ばれていただけある。


そして、金田志乃という日本代表の少女がゲートをくぐってからも、ゾロゾロと少年少女たちが集まってくる。

鍛えぬかれた身体。
研ぎ澄まされた表情。

一目見ただけでも、彼らが並みの人間とは違うことが感じられる。

だからこそ、先ほどの日本代表の少女は異質だった。



第7次世界大戦。
それは、代表型世界大戦を初めて試みた大戦ともいえる。

ある施設に各国の代表を集め、そこでの成績で勝敗を決める。

戦争の終結は、半年、または生き残った代表の出身国が7カ国となった時点で終了とする。
その7カ国が、次の大戦が始まるまでは世界の中心として動くことになる。






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