ガード
(す、素敵な人だった・・・。)

親切なうえ、顔だちも抜群ときた、そんな彼だった。

にこにこしながらまた来た道を戻っていると、10分もしないうちにまた、空がザアザアとやりだした。

今度は豪雨である。

(げっ・・・せっかくいい気分だったのに・・・)

そう思いながらビールを傘にし、バシャバシャと走っていると道路に一台の黒いリムジンが静かな音を立てて、私の横に停車した。

後部座席のドアが開く。

あの彼だった。


「だから言ったでしょう。」

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