ガード
「あずさ。」

「おう。」

「行こう。そろそろ翔を起こしに行かないとやばい。」

「そうだな。」

あずさに嘘はつけない。

翔との出会いも結局は話す羽目になったし、今では私たち3人が同じ年齢だと知ったあずさ自身が、「翔」と呼ぶようになった。

聞くところによると、LINEも交換したらしい。

「今日のホテルの巡回は何時からだ?」

「9時。」

「いい加減自分で起きられるようにはならないのか、あいつ。」

出会って1か月の翔を「あいつ」である。

相当親しいようだ。

「それにしてもここ本当に広いね。従業員さんの部屋だけでも広いのに本邸なんかもうベルサイユ宮殿じゃん。」

「すごいよな、この屋敷。」


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