ガード
最終手段として非常に古典的な方法にでた。

厨房から例のものを借り、戦闘準備完了である。

ベッドで丸くなっている翔に向かって私は思いっきりフライパンにおたまを打ち付けた。

***

「あれはないな。」

翔はまだ耳をおさえている。

「起きないお前が悪い。」

さらりとあずさが言った。

「効いたでしょ?」

古川さんがやってきたのでまた敬語に戻る。

「・・・。」

翔は相当参ったのか、いつになくだんまりであった。

***

水浦翔のボディーガードとなって早1か月。

今ではもう、巡回中にお辞儀されてもそれを返すことはなくなった。

慣れというものはなかなか怖い。

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