ガード
心地よい風に心地よいシートで、もうドライブの条件は完璧に満たされている。

ゆったりまったりリラックスできているのは確かだが、痛い。

眼が、痛い。

オープンカーのせいか、顔が強い風にさらされて眼球がとても乾くのだ。

ごしごしと目をこすりながら外を見ていると、運転席の翔から2人分の賜物が送られてきた。

「ありがとう!」

「翔、助かった!」

私とあずさは心の底からお礼を言い、それぞれサングラスを手に取ったのであった。

***

「しゃねる・・・。」

「俺なんかGUCCIだぜ。」

「なんであずさがブランド名を言うと恰好いいんだろう。」

サングラスにしろ、なんにしろ、水浦家のハイブランド好きは健在である。

私もあんなお金持ちに生まれたかったなあとしみじみ思っているうちに車は停車した。

目的地に到着した様だ。



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