ガード
***

さっぱりとした笑顔を浮かべて店を出た翔だが、まだ何か物足りないようである。

「後はドレスとあずさのスーツだよな。」

ぼそっと言う翔にあずさはこう返した。

「やっぱあれじゃね?あそこは不動の1位だろ。」

「古川さんはどう思います?」

「私も二階堂様に賛成でございます。」

翔の問いかけにそう答えた古川さんではあったが、当の私は何が何なのかさっぱりである。

「次はどこに行くの?」

「「行けば分かる。」」

まるで兄弟のように息が合うあずさと翔だ。

憎たらしい。

*****

到着した場所、そこは。

「へるめす・・・。」

「エルメス。」

あずさから即注釈が入る。

世界最高級ブランドの一つ、エルメスであった。


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