ガード
偶然
~二か月後~

「うがあ・・・疲れた・・・。」

女性らしからぬ奇声を発した私は、玄関に入るなりその場に倒れこんだ。


ボディーガードの仕事は楽ではない。


不審者が現れないかいつも周囲に目を走らせなければならない上、一郎が講演などをする際には、会場の設営にも立ち会わなければならないからだ。


毎日毎日、恋人でもない人の安全を守るのは容易な事じゃない。

しかしそれでも、「自分が選んだのだから」と気持ちを奮い立たせる。


***


「ビール、ビール・・・あれ?」

お風呂上がりに毎日飲んでいるビール。

どうやら品切れの様だ。
< 8 / 77 >

この作品をシェア

pagetop