不釣合い。
営業課、営業課、ここだ。

初めて営業課に来た。

ここは私達の会社を支えてる人達が集まるありがたい場所なのだ。

緊張するなぁー。

私は一度深呼吸をしてドアをノックした。

『し、しつれ、、、、』

『おー来た来た!こっちこっち!』

私の挨拶をかき消すように長谷川さんが手招きをした。

『し、書類を持って来ました』

『ありがとね。ホント助かったよ。ほら間に合ったでしょ?松岡さん』

『うん。最初木村さんが出来なかったと長谷川から聞いた時は間に合わないと思ってたんだ。本当に感謝するよ』

40代の少し強面の男性が頭を下げた。

『い、いえ、木村さんならもっと早かったと思いますし、ギリギリですみません』

『いやいや、間に合わせてくれたことがすごいんだから。これ営業課から感謝の印。持って帰って食べてよ。』

長谷川さんはそう言うと紙袋を手渡してくれた。

『お前ちょっといないと思ったらそれ買って来てたのか!』

松岡さんが呆れたように言う。

『僕お金立て替えてますので、領収書松岡さんの机に置いてますからよろしくお願いしますね』

『わかったわかった』

松岡さんは頭をかきながら言った。

『本当にありがとう。木村さんにもよろしく伝えておいてくれ』

『明美さんにはそのお菓子内緒だぞー』

私は2人に見送られ営業課をあとにした。
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