不釣合い。

日にちが経つのは、早いもので金曜日の朝を迎えた。

目覚まし時計が私を起こす。

うぅ〜。寒い。

今日は一段と寒い朝だ。

昨日の夜長谷川さんからメールが届いた。

【お疲れ〜。明日鍋だね^_^楽しみ^_^申し訳無いけど、明日俺夕方アポ入っちゃって、明美さんに鍵渡すから、明美さんと先に買い出しお願いできないかな？】

【お疲れ様です。了解いたしました^_^私も楽しみです。お仕事頑張ってください^_^】

と返信しておいた。

場所が長谷川さんの家ということもあり緊張はMAXだった。

昨晩も全然寝られなくて今日も寝不足だ。

私は眠い体を起こし、いつもよりちょっぴりオシャレをして会社へ向かった。

いつも通りロッカーで制服に着替え、自分のデスクに向かった。


『おはよ〜桜』

『あっ木村さんおはようございます』

『桜2人で定時ダッシュしようね』

木村さんがコソッと耳打ちしてきた。

『が、頑張ります』

私も小声で言った。

さぁ今日も１日頑張るぞー。

そんな気持ちとは裏腹に全く仕事に集中出来なかった。

簡単な書類もいつもの倍の時間がかかってしまった。

今日の夜の事を考えないようにしていても頭の片隅から出てきてしまう。

お昼休憩を挟んでも全然作業がはかどらない。

『う〜ん。恋の病ですかな？』

後ろから声をかけられた。

私はびっくりして後ろを振り返った。

木村さんが真剣な顔で立ってた。

『ち、違いますよ！』

『じゃあさっさと片付けちゃいなさい。もう時間があまりないわよ。気持ちは分からなくもないけど』

薄ら笑いの木村さんにおでこをつんと突かれた。

私は恥ずかしさのあまり顔が熱くなった。

そこからの私は超集中モードだった。

終わった〜。終業時間ギリギリ。

木村さんは明らかに仕事をしているフリだった。

やっぱり木村さん仕事早いなぁ〜

感心していると終業のチャイムがなった。

『お疲れ様でした〜』

木村さんがロッカーへ向かった。

『お疲れ様でしたー。』

私も自分のデスクを綺麗にして急いでロッカーへ向かった。