お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

『バカじゃねーの』

そんなマヌケな私を見ての、みっくんのひとこと。

『バ、バカじゃないもんっ、みっくんが歩くの速いから!』

『俺のせいかよ』

『みっくんのせいですー』


しばらくの間、こんな感じで言い合いが続いていたんだけれど…


『ほら立てよ。とりあえず帰るぞ』

みっくんが、私の腕をぐっと掴んだ。

その瞬間、
『痛っ』
思わず顔をしかめた。

みっくんが慌てて手を離したその場所には、転んだときにアザができていて。
……血はどこも出てなかったから、これくらいはしかたないかぁって思ったときだった。


『ちょっと!』

聞きなれない女の子の声がした。

私たちが呼ばれてるのかな……と思って、
声が聞こえた方に顔を向けると、
ポニーテールの活発そうな女の子が立っていて。

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