お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「……みっくんとね、久しぶりに話せて嬉しかったよ」
いつもより、みっくんの纏う空気が柔らかくて。
言うはずのなかったことまで口から滑り落ちた。
「優しいところも全然変わってなくて、嬉しかった」
「今日、とっても楽しかったよ。ありがとう」
みっくんが少し眉を寄せて、自分の耳たぶに指で触れる。
あ………。
久しぶりに見た。
みっくんが耳たぶに触れるのは照れたときのクセ。
私はみるみる胸がいっぱいになって。
緊張なのか何なのかわからないけど、心臓がすごいドキドキいっている。
「やっぱり……私、みっくんのこと、すごいすきだよ」
今まで何度も言ってきた。
言いたくなったときに言ってきた。
だって、みっくんは私のいちばんの幼なじみだから。
「俺は……嫌いだけどな」
それだけ言って、みっくんは私に背中を向けた。