お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


「はいはいわかったよ、わたあめ買ってきてあげるから、かき氷買ってくれば?」



呆れたように、そう提案した夏奈ちゃん。



「えっ……いや、そんな、面倒でしょ!?大丈夫だよ」



いくら優しい夏奈ちゃんでも、さすがにそんなこと頼めない!


ぶんぶんと首を横に振る。



「丁度からあげ食べたくなってきたし?からあげとわたあめの屋台、隣なんだからついでに買ってきてあげるって!私相手に遠慮すんなーっ」



「じゃ、じゃあ……ありがとう、お願いっ!!」



きっと、“からあげが食べたい” なんて咄嗟のでっちあげ。


だけど、ここは夏奈ちゃんの優しさに甘えることにした。



きっと、夏奈ちゃんは優しいから、私が何を言っても結局行ってくれるんだと思うから。




「じゃあ、お互い買い終わったら、花火見るとこで集合でいいよね!」


「うん!」



頷いた私に、夏奈ちゃんが聞く。



「……あ、そういえば花火ってどこで見よう?」



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