お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
そして、私の頬をつんつんとつついて、
「ひまり?顔赤いけど、大丈夫?」
ひぃぃ、やっぱり顔赤くなってるよね?!
なんでヘンなこと妄想しちゃったんだろ……
「だだだ大丈夫!!」
「それならいいけど……って、そろそろ行かなきゃ本格的にやばいよね。じゃ、20時までに神社のとこで!」
ひらひら、と手を振りながら、夏奈ちゃんはわたあめの屋台の方へ歩き始めてしまった。
そうだ、私もかき氷買いに行かなきゃ……!
なぜか熱の残る頬を、ぱたぱたと手で仰いで冷ましながら、夏奈ちゃんとは反対の方向へ足を動かした。
*
ん〜、何の味にしよう……。
やっぱり、イチゴに練乳でいちごみるくかな!?
安定に美味しいもん。
花火の時間が近づいてきているからか、かき氷の屋台に並ぶ列は思ったよりも短くて。
今は列の前から2番目。
次はもう、自分の番。
よし、いちごみるくにしよう!!
優柔不断な私がやっと決意したところで、前の人がかき氷を受け取って、順番が回ってきた。
「何味にしますかー?」
「いちごみるくで!」
「はーい、200円ねー」
準備しておいた、100円玉2枚を手渡して、かき氷を受け取る。
イチゴシロップの赤と、トロトロの練乳の白の組み合わせ………!かわいい………!
そして、美味しそう……!