お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

そして、私の頬をつんつんとつついて、



「ひまり?顔赤いけど、大丈夫?」



ひぃぃ、やっぱり顔赤くなってるよね?!

なんでヘンなこと妄想しちゃったんだろ……




「だだだ大丈夫!!」


「それならいいけど……って、そろそろ行かなきゃ本格的にやばいよね。じゃ、20時までに神社のとこで!」



ひらひら、と手を振りながら、夏奈ちゃんはわたあめの屋台の方へ歩き始めてしまった。



そうだ、私もかき氷買いに行かなきゃ……!



なぜか熱の残る頬を、ぱたぱたと手で仰いで冷ましながら、夏奈ちゃんとは反対の方向へ足を動かした。




*




ん〜、何の味にしよう……。


やっぱり、イチゴに練乳でいちごみるくかな!?

安定に美味しいもん。




花火の時間が近づいてきているからか、かき氷の屋台に並ぶ列は思ったよりも短くて。


今は列の前から2番目。
次はもう、自分の番。



よし、いちごみるくにしよう!!



優柔不断な私がやっと決意したところで、前の人がかき氷を受け取って、順番が回ってきた。



「何味にしますかー?」


「いちごみるくで!」



「はーい、200円ねー」



準備しておいた、100円玉2枚を手渡して、かき氷を受け取る。



イチゴシロップの赤と、トロトロの練乳の白の組み合わせ………!かわいい………!


そして、美味しそう……!




< 126 / 387 >

この作品をシェア

pagetop