お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
疑われてる……!
なんとか信じてもらわなきゃ……!
『ほ、ほんとです!みっくん、あっ、この人とは幼なじみで、私が転んじゃっただけでっ……だから、あの、決してナンパなんかじゃ………』
身振り手振りしながら、必死に説明する。
言い終えて、女の子の顔を見ると、なぜか真っ赤になっていた。……どうしたのかな?
『ごごごごめんなさいっ!』
バッと、その子が頭を下げた。
『変な勘違いしてすみませんでしたっ!それでは!』
ダーッと走って去ってしまった。
……誤解は、解けたみたい…?
きょとん、と去っていった方を見つめていると、
『ほんと、俺がこんなちんちくりん相手にするかよ。……ほら、ひまり、立て。また誤解される前に帰るぞ』
また、ちんちくりんって……!
確かに平均身長よりは低いけど!
気にして毎日牛乳飲むようにしてるんだから!
今度は、みっくんが優しく手を差し伸べてくれたから、ありがたく借りて立ち上がった。
…このときの女の子が、夏奈ちゃんで。
これが、私と夏奈ちゃんの出会いだったんだ。
*
そして、夏奈ちゃんをちゃんと知ったのは入学式の日。