お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
夏奈ちゃんが、あまりにも真っ直ぐな笑顔を私に向けるから。
誰よりも背中を押してくれるから。
じわり、とまた涙がこみ上げてきて。
……一体、今日は何回泣けば気が済むんだろうね。
「ううぅっ、みっくんがっ……好きで好きで苦しいっ………!ふえぇ───んっ……ヒクッ……」
声を上げて泣きついた私の背中を、夏奈ちゃんがトントンとあやすように叩いてくれる。
「だいじょーぶ、ひまりなら大丈夫」
目を閉じて、そっとみっくんの姿を思い浮かべた。
あのとき、なんだかモヤモヤしたのも、香音ちゃんと一緒にいて欲しくないって思ったのも………私のヤキモチ、だったんだ。
腑に落ちて、それから、悲しくなった。
きっと今、みっくんは香音ちゃんの傍で笑っているんだろうなって、想像してしまったから。
ヒュルルル─────
ドォン
ポタリ、と涙が一粒アスファルトに溶けたのと同時に、花火が上がった。
「綺麗だね……」
「……うん」
散りゆく色とりどりの火花は綺麗だけど、
どうしようもなく、切ない。