お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「もう体育祭の時期か〜!」
「夏奈ちゃんは、運動得意だもんね!」
そんな夏奈ちゃんは大活躍間違いなしだ。
一方の私は……
「ひまりは体育祭、どうなの?」
「全然得意じゃないけど、楽しみだよ!」
そう。
運動はニガテ中のニガテ。
走ったらつまずくし、だからといって障害物競走なんかも見事に障害物に引っかかるからダメ。
だけど、たとえ体育祭だとしても、
学校の行事ってなんだか特別な感じがしてワクワクするから好きなんだ。
クラス得点に貢献はできないかもしれないけれど、応援は全力で頑張ろうって思ってるしね!
「ひまりの、そういう考え方、好きだなー」
「そうかな?」
「ニガテとか関係なしに楽しめるってスゴいと思うよ」
夏奈ちゃんの純粋な褒め言葉に、照れ笑いを浮かべる。
でも、楽しみなのは本当のことだもん。
「で、どの種目に出るつもり?」
「う〜ん……、借り人競走とかが無難かなぁって思ってるんだけどね……」