お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「花岡のことも、名前で呼んでもいい?」
「ぜひ!」
もちろん。
だって、私だけ名前で呼んでるっていうのも、ちょっとおかしいし!
「じゃあ、ひまりちゃん……?」
翔太くんに呼ばれた自分の名前は、なんだかくすぐったくて、えへへ、と照れ笑いを浮かべた。
「ひまりちゃーん、休憩時間終わりねーっ!」
そんなとき、遠くから女の子の声に呼ばれて。
休憩時間がちょうど終わったみたい。
「じゃあ、またね」
「うん!あ、お茶、ありがとうねっ」
そう言って手を振ると、
翔太くんも、くるりと背を向けて自分の練習に戻って行った。
よし、また気合い入れて練習がんばろう!!
ぐっと伸びをして、私も個人練習に戻った。