お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
*
*


それからさらに、1週間とちょっとが経った日の放課後。


今日もやっぱりグラウンドの上。




「いよいよ明日だね〜〜っ!」




いかにもワクワクした様子で腕まくりをするのは夏奈ちゃんだ。



放課後の練習が始まって、はや2週間。

九月も下旬の今日は、もう体育祭の前日だ。



グラウンドにはテントやアーチが設置され、SHR(ショートホームルーム)ではクラスカラーのハチマキも配られて、気合いは十分。




「ひまりもだいぶ頑張ってるよね〜」


「えへへ。あとは、今日の練習次第って感じかなぁ」




毎日の練習のおかげで、足は速くならなくとも、ちゃんとリレーが繋がるようにはなってきた。



まだまだ私が足を引っ張ってしまっている感じは否めないけれど……




あとは残された今からの練習で、そこを確実にしておきたいな。


リレーは得点も高いから、少しでも順位を上げられるようにしなきゃ。





「じゃあ、お互い頑張ろーねっ」


「うん!」




またあとで、と手を振ってお互いの練習場所に向かう。



そういえば、夏奈ちゃんが出場しているスゥエーデンリレーも楽しみだなぁ。



明日は夏奈ちゃんがバッチリ見える場所で応援しようっと!




< 163 / 387 >

この作品をシェア

pagetop