お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


どうしても、キラキラしている方に目が惹き付けられる。


そして、いつだってその先にいるのはみっくんなんだ。




「………っ、いいなぁ」




いいなぁ、私もあんな風になりたい。



みっくんは私と違って器用だ。

キラキラしていて、かっこよくて。





グラウンドの隅で、ひとり俯いている私とは正反対だ。


こんな私………みっくんとは、不釣り合いなのかな。




ふとそんなことを考えて、

自分で考えたのに、自分がいちばんショックを受けた。




みっくんの隣に並んでも、お似合いだって言ってもらえるようになりたいよ。




そんなことを考えながら、目を離せずみっくんをじーっと見つめていると。




「……!」





こちらを向いたみっくんと、ぱちり、と目が合った。



しっかりと視線が絡んでドギマギしたのも一瞬、次の瞬間には、なぜかみっくんがこちらに向かって真っ直ぐ歩いてきていて。




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