お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
100mとリレー………
どっちもかっこいいんだろうなぁ、なんて想像する。
「……おまえは」
「?」
「おまえは、なに出んの」
まさか、みっくんに聞き返されるなんて思わなかった。
「借り人競走と女子リレーだよ」
すんなりと答えた私に、
「は?リレー?おまえが?」
戸惑うみっくん。
と、同時に思い出してしまった。
そうだ、私、リレー出るんだった。
どうしよう、本当に失敗したら───
ありありと蘇ってくるさっきの練習の記憶。
「くじで当たっちゃったんだよ」
「さすがツイてねーな」
呆れたように笑われる。
だけど、私の気持ちは落ち込んでいく一方だ。
「えへへ、ほんと、ツイてないよねっ」
それを悟られないように、笑顔で明るい声を出す。
出した、のに。