お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
一方の私はというと、しばらくそこから動けなくて。
みっくんに触れられた額が、熱い。
そこから全部溶けて崩れてしまいそうなほど。
『ほんと……?』
『ほんとだよ、』
好き。
みっくんが大好き。
優しい声に、仕草に、
いちいちときめいて息苦しくなる。
今は私の一方通行だけど、
いつか、みっくんも同じ気持ちを私に向けてくれたらいいのに─────なんて、
それはおこがましいかなぁ、と思って誤魔化すように笑った。
そうして、さっきより少し元気になっている自分に気づいて。
「みっくんパワーおそるべし……」
みっくんは、私の落ち込んでいた気持ちなんて簡単に浮き上がらせてしまった。
みっくんがさすがなのか、私が単純なのか……。
「ひまりちゃーん、そろそろ練習再開しても大丈夫ー!?」
どこか心配そうに声をかけてくれたチームメイトの女の子。
そんな彼女に、私は笑顔でOKサインを出す。
「うんっ!!さっきはごめんね、頑張る!!」
『頑張れば、応援してやらないこともないけど』
ふふ、と頬が緩む。
絶対絶対、頑張れるよ。
明日は、体育祭当日。
─────なんだか楽しみになってきた。