お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
私がみっくんの元に走って行ったとしても、きっと………
みっくんは、私と走ることなんて拒むと思う。
そして、私の気持ちさえも。
考えただけで、少し胸が痛くなった。
「ムリだよ………」
振られるってわかっていながら、公然の場で告白する勇気なんて私は持ち合わせていない。
みっくんに好きって言うのは、もっと頑張って近づいて、仲直りしてからがいい。
どうしたものか、と頭を抱えた。
みっくんのところに行けないとなると、本当に他の人が見つからない。
〈完全に立ち止まってしまったようです!これはどうしたのでしょうか──────〉
実況アナウンスの明るい声に、文句の一つや二つ言いたくなる。
こっちは真剣に悩んでるんだからねっ!?
はぁ、とため息をついたときに、またもやアナウンスの声が入ってきた。
〈おおっと……!予想外の展開です!立ち止まってしまった彼女の元へ誰かが駆け寄ってきました!あれは─────〉
………ほぇ?
きょとんとしたのも一瞬。
何かの気配に気づいて、後ろを振り向いた私は思わず目を見張った。