お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「棚橋くん、『好き同士じゃなきゃ』って言ってたんだって?」
「うん、そう言われた……よ」
みっくんは私のことを『好きじゃない』からダメなんだって。
「ねぇ、ひまりはさ……棚橋くんのこと、どう思ってるの?」
「だーいすきっ」
大好きな大好きな、幼なじみの男の子。
「それって、どういう意味の “大好き” ?」
「ほぇ……?」
「だーかーらー、どういう意味で “大好き” なのかって聞いてるのー!」
どういう意味で………
ってどういう意味?
「“大好き” にそれ以上の意味なんて……あるの?」
「え?」
今度は夏奈ちゃんがきょとん、としている。
そんなに、おかしなこと言ったかな……。
「 “大好き” ってどれも、同じ意味じゃないの…?」
じっ、と夏奈ちゃんの綺麗なヘーゼルナッツ色の瞳を見つめた。
すると、夏奈ちゃんの瞳がどんどん見開かれて真ん丸になって。
「まさか……ひまり……」