お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

「する！絶対応援する！」


そんな私に、翔太くんは優しく目を細めて。




「じゃ、こんなとこでずっと立ち話するのもあれだし、みんなのところに戻ろっか」



「そうだねっ」




ここは借り人競走のゴールのすぐ近く。


たしかに、ずっとここにいては邪魔になる。





ふたりでクラスの応援席の方へ向かった。





*




クラスのみんなと合流すると、それはもうすごい質問攻めにあった。



「ひまりちゃんて、浅野が好きだったの！？」


「ほんとびっくりしたよっ」



「ふたりっていつから、そーゆー関係に？」





矢継ぎ早に飛び交う質問に、最初はひとつひとつ 『あれは、翔太くんが助けてくれただけで……』 と否定していたんだけれど、




答えるたびに、『なんだー、つまんないのー』と拍子抜けされるだけで、



それを繰り返しているうちに、いちいち説明することに疲れてきちゃって。